導入事例:オートレース向けオンボードカメラ開発

15万人のファンを魅了する映像を届ける
オートレース向けオンボードカメラ開発事例

業界初のオンボードReplay

AutoRace.JP会員向けに提供されるオンボードReplay映像では、中継動画をセンターに8車それぞれのフロントに取り付けたカメラでレーサー目線の映像を公開しています。サイト内のプレイヤーでは選択した選手のカメラ映像を大きく表示させるなどマルチアングル映像の視聴も可能で、多くのファンからその臨場感と迫力に好評の声が届いています。

AutoRace.JP会員向けに提供されるオンボードReplay映像では、中継動画をセンターに8車それぞれのフロントに取り付けたカメラでレーサー目線の映像を公開しています。サイト内のプレイヤーでは選択した選手のカメラ映像を大きく表示させるなどマルチアングル映像の視聴も可能で、多くのファンからその臨場感と迫力に好評の声が届いています。

導入法人様

公益財団法人JKA

競輪とオートレースの選手・審判員や、自転車・小型自動車の登録、競輪とオートレースの実施方法の制定、選手の出場あっせん、養成・訓練を行うほか、自転車・小型自動車等機械工業の振興、体育事業その他の公益の増進を目的とする事業に対する補助等を行っています。また、競輪情報システムの研究開発、運用管理等の業務を行うほか、競輪を実施している競輪施行者からの委託を受けて、競輪に出場する選手及び競輪に使用する自転車の競走前の検査、競輪審判その他の競輪競技に関する業務、車券発売等の業務、開催宣伝の業務、場内整理等の業務及び競輪事業附帯業務を行っています。

日本国内5か所(川口・浜松・飯塚・山陽・伊勢崎)にあるオートレース場で、オーバルコースを走るマシンスポーツの公営競技の運営支援を行っている公益財団法人JKAでは、オートレースファンの方々にレーサー目線のオンボード映像を提供したいと考え、ザクティに相談しました。汎用のアクションカメラやドライブレコーダーを用いて時速150kmを超えるスピードで走るバイクのオンボード映像の撮影をするのは、エンジン部や競走路からの振動による映像のブレや車体への取り付け強度の問題など様々な課題が立ちはだかる中、ザクティでは独自の画像処理技術で、車体に取り付けたカメラがレース中の水平を維持した大迫力映像の撮影に成功。2023年9月から一部の本番レースで導入され、その映像がオートレースの公式サイトで公開されています。

カスタマイズ概要

カメラファームウェアのチューニング

ザクティ独自の画像処理エンジンには、手振れを補正する技術が搭載されており、歩行中や作業時の体の動きや傾きによる画像ブレが起こらず、常に水平を維持した映像を出力する技術は遠隔支援の領域で高く評価されてきました。しかしオートレースの車体に取り付けると、走行中の遠心力やエンジンからの振動でレーサーの目線映像はおろか、水平維持映像を切り出すためのアルゴリズムが正しく動作せずに映像が上下反転してしまうこともありました。カメラに内蔵したセンサーで走行中の数値を計測し、出走前からレース終了までを通して安定した映像を出すために、カメラファームウェアのチューニングを繰り返し行いました。

福本晋平
ソリューション技術部 部長

「プロジェクトを通して、目線映像の更なる可能性に気づくこともできました!
 揺れ補正を継続して進化させ、様々な場面で見やすい映像を
 お届けできるようにしていきたいと思います。」

競走車取付機構設計

既に製品化されているボディウォーンタイプのウェアラブルカメラCX-WE300が今回のカメラのベースとなっていました。仕様の異なる全ての車番に取り付けられること、誰が取り付けても同じ条件で同じ映像が撮影できること、そして万一の転倒の際にもコース上に部品が散らないことなど、取付機構の設計には多くの条件をクリアする必要がありました。更に実地検証を始めると、高速で走行する車両の前面に取り付けたカメラは急速に冷気にさらされるため、レンズ面の結露の課題にも直面。取付機構に空気の抜け道を作り、サイクロン構造でホコリや水分を取り除いた空気を筐体の中に送り込むことで結露の課題を乗り越え、クリアな映像の撮影が実現しました。3Dプリンタを駆使して数々の試作を繰り返し、現在は第8世代の取付機構が本番レースで活躍しています。

前田幸哉
機構設計部 部長

「結露の問題には大変苦労しましたが、約2年の開発・検証の期間を経て
 多くの方に喜ばれるサービスの提供に携われたことを嬉しく思っています!」

本番導入までのテクニカルサポート

チームメンバーが実地検証の現場に何度も足を運び打ち合わせを重ね、現場で見つけた課題には都度その場で対応をして今回のプロジェクトを遂行しました。導入後のスムーズな運用のため、取付手順やトラブルシューティングなどの各種テクニカルサポートも行っています。

お客様の声

公益財団法人JKA
オートレース振興業務部 振興事業課 瀬戸 隆行様

「オンボードカメラの映像を公開する計画は数年前からあり、
 これまで汎用のカメラを用いて撮影テストを行なってきましたが、
 安全性、運用面に加えて、過酷な撮影環境に耐えながら、
 オートレースの魅力が伝わるシーンを撮影できるカメラがなかなか見つからずにいました。
 そんな中、ザクティを紹介され、今回のプロジェクトがスタートしました。
 試作とテスト走行を繰り返し、2023年9月には遂に実際のレースでオンボードカメラの実施が実現し、
 2024年度からはビッグレースでの導入が決定しました!
 カスタマイズされた製品が要望する仕様を満たして納品されたことに加えて、
 チーム一丸となって成功するまで何度も検証やデータ取りのためにレース場に足を運んで頂くなど、
 導入までの手厚いサポートに、ザクティのカスタマイズの本当の価値を感じました。
 これからは、他の分野での導入も見据えて小型・軽量版のカスタマイズを依頼する予定です。」


お問い合わせ

ザクティではお客様のご要望・用途に合わせた
ソリューションのご提案から映像処理の最適化・サービスのカスタマイズが可能です
ご要望・お困りごとなどお気軽にお問い合わせください